「組織を信じてない」と言うと反射的に怒られるのかもしれない

結構雑記だけど、大事なことなのでメインブログに書きます。

id:gatonewsさんの、ガ島通信「「組織を信じていない」と言うと怒る人がいる不思議」(id:gatonews:20090421:1240327202)

セッションの中で「組織を信じていない」と発言したのですが、そう言うと時々怒る人がいます。「信用できない組織は問題があるのでは」「組織に所属しているのだからそういうことは言わないほうがいい」などの反応は分からなくもないのですが、時々「じゃあ一人で仕事をしろ」などとあからさまに怒りをぶつける人がいます。
誰も「人(話している相手も含めて)を信じていない」などと言っていないのに不思議なことなのですが、その人が組織が(←原文ママ)一体化しているので人格否定された気になるのかもしれません。

とりあえず、話を分解して考えてみようと思いました。

まず「怒る」という反応です。
「怒る」からには、怒りの主は「組織を信じている」ということは前提として考えてよいかと思います。

ということは「組織を信用する」ってどういうことか分解してみないと。
とりあえず思いつきで箇条書きしますね。あと、便宜上、「組織」を「会社」とか「役所」のような「勤め先」と解釈して書いていることはお断りしておきます(gatonewsさんの当該記事の後半の文脈による)。というか、それ以外の「怒られそうな」組織を僕がよく知らないということもあります。

  1. たいがいの組織の給料は後払いなので、給料が支払われるものだと「信用する」
  2. いきなり明日にこれといった理由なく馘首されないと「信用する」
  3. 組織にいると、同じ組織の人がそれぞれの役割を(あるていど)誠実に果たしているものと「信用する」
  4. 組織にいると、同じパートの人が協力的に振る舞ってくれることを「信用する」
  5. 組織にいると、もしかしたら個人的に困ったときに助けてくれるのかもしれないと「信用する」

……とりあえずこんなとこかしら。

わたしの現状での自分への見解は、

  1. 現状、お給料が出る可能性は高いと感じているので、1日〜24日(笑)の間も信用して働いてます。
  2. その気になれば、何かとイチャモンをつけて首にすることは不可能ではないが、手間そのほかのコストとか、組織が置かれている状況を考えたら、今日明日に自分をそこまでして馘首するメリットはないだろうし、わたしがいなくなることで凄く得する人間も(たぶん)存在しない。
  3. 「働き蟻の法則(笑)」からいうと、8割の人は誠実に果たしていない可能性が高いとは思うのですが、自分自身が「8割」なので(少なくとも収益を考えれば)、人のことを言えた義理ではない(^^;)
  4. 組織は、個人間、あるいは部署(組織内組織)間で「利害対立」が発生する可能性が常にあるので、組織の中でも「利害をともにする」場合は協力的に振る舞ってくれる可能性が高いと思っています。個人間、もしくは組織の中の組織同士で利害対立がある場合は、「スマートな潰し合い」になるとは思いますが、そういった振る舞いの変化は組織を信用するしないの問題とは別。
  5. 「病欠」とか「有休」とか「育児休職」とかの制度が存在し、有名無実とはなってない以上、制度の枠内であれば「助けてくれる」と解釈しています。ただしそれ以上は期待していませんが。

……といったところです。

書き上げてみると、自分自身も「大して組織を信用していない」んだなあと感じました。

と書いたら、僕も「そういうことは言わない方がいい」とか「だったらすぐお辞めなさい」と言われるのかしら?

gatonewsさんの記事の文脈を見る限り、お怒りになる方のアタマの中では、「組織を信用しないメンバーが存在する」ということは死罪に値するということなのだと愚考いたします。

僕から見ると「心の中では(公言してでもいいです(^^;))組織を全然信用してないけど、組織に何らかの貢献をしてくれている人」よりも「組織を大変愛していてすっごく信用しているけど、組織に貢献しないどころか下手するとマイナスになる人」の方がイヤだなと思うんですね。

お怒りになる方は、えっとエニアグラムで言うところの、組織や友情にこだわりの強い「タイプ6」なのかしら。「なんかの組織のメンバー」であることと「その組織を信用していない」ことは、その人的には両立できないということかもしれません。

自分自身は「タイプが違う(タイプ5の「研究者」)」らしいので、正直、「なんでそんなに怒られるのか分からない。信用してようがいまいがどっちだっていいじゃん」と思ってるんですね(苦笑)。
とりあえず「組織を信用すべき理由(信用できないと言ってはいけない理由)」というのは「他のメンバーの士気に影響するから」だというところまではなんとなく想像は出来ます。

僕も、(メンバーは互いに信用しあうべきだと信じている)他の人の思想信条にケチをつけたように思われるのは本意ではないのと、もし士気が落ちる人がいるのであれば、わざわざ人の士気をくじくようなことはしたくないので、こういったことは、文章にはしても口には出しませんよ。

口に出すと、gatonewsさんご自身が言及しているように(目の前にいるあなたのことを)「信じていないとは言ってないのに」ということになってしまうからです。

逆に言うと、僕の「まあ組織をすっごく信用しているわけでもないけどね」という思想信条に「(そういう考えなら)組織にいちゃダメだよ〜」とケチつけられるのもや〜ですね(^^;)。もし、「組織を全面的に信用すべし」というのであれば、せめて雇用契約書にそれ書いておいてほしいです(笑 *1 )。というか、信用だけじゃ解決できないことがあるからこそ、契約書があるんだと思うのですが(^^;)。


「メンバーに信用されない組織には問題がある」とか「組織に属している以上『その組織への不信感』を表明すべきではない」とか「組織が信用できない以上、組織に所属すべきではない」というドグマってどこから来るのかしら。

まさかとは思うのですが、ある組織をその組織に属していない人から見たときに

  • 全てのメンバーがその組織のことを信用しきっている、というか委ねちゃってる
  • 全てのメンバーがその組織への不満を持っていない
  • ちょっとでもその組織を信用できないメンバーはその組織からリジェクトされる

な〜んて組織を「気持ち悪い」と思わない人がいたら、僕はその人こそが「気持ち悪い」ですけどね。

補遺

さきのエントリー「佐々木正悟さんのマインドハックスセミナーのメモ(人格障害ネタを中心に)(id:kikuiri:20090423:1240504024)」において、佐々木正悟さんの提案として「困った人とつきあわざるを得ないときは、まずは「勝手に診断してみる」こと →診断ができれば対応策が立てられ、不安(ストレス)が減る」と書きましたが、ここに書いたように「エニアグラム」であるとか「ストレングスファインダー」などの手段で「類型化」してしまえば、少なくとも「自分のストレスは減る」わけですよね。

*1:「誠実に働け」とは書いてあったが「組織を信用しろ」とは書いてないはず