正しく「逃げる」には

「逃げる」というテーマで気になった話をひとつ。

城繁幸さんの「Joe's Labo;居酒屋で酒飲んで、非常時には防災服着て皆でサラダ食ってる人は良い人だろうけど、良いリーダーなのか

Yomiuri Online上小阿仁 再び無医村の危機

痛ニュー速報!「【秋田】上小阿仁村の有沢医師が辞意撤回「もう少し頑張ってみます」 「やめないで」署名600人以上

医療経営財務協会「無医地区問題と医療費についての歴史・・ある医師の, マスコミウオッチより・・・・離島を除いて、無医地区の問題は、本質的には交通問題・・・しかし無医地区の住民に、都会地並の、他人を傷つけないで生活するテクニックが有るか無いかの問題が解決されなければ 駄目

……と流れ着いた先で目にした一文。

 無医地区の、無医地区たる理由は、診療所の個人経営が成り立たない地域だからでは無く、医師の子弟の教育が困難なわけでも有りません。 そこの地域住民が悪い、殊に、自分が有力者だと思い込んでいる首長、議員、町内会長、大地主、資産家等が、馬鹿な要求や他所者扱いや三流医師扱いをするから、医師が嫌がって地区を出て行くだけの事なのです。 本質的には、その地区出身の若者がいなくなるのと全く同じ理由なのです。
(中略)
 無医地区の住民の意識改革は不可能です。 彼らにとってみれば、彼ら自身はその地区に住み続ける事が出来た「勝者」であり、その地区の「正しい伝統」の継承者なのです。 「勝った」者が反省するなんて、有り得ない事なのです

(赤文字は引用者)

 自分自身、親戚ふくめ「無医村」在住の人間がいないので、こういう構図になってるとは全く気がつかなかったです。特に後半の部分。

 カタカナを使うと「そういう思考方法を用いると言うことは、インセンティブがある」からなのであって、しかも地域にいる人たち(正確にはその一部)はそのことに意識的ではないし、行動を変える理由もないってことですよね。

 だとすると、このまま無医村になったとしても、「痛ニュー」でのコメントにもありましたが、恐らく、内部で責任のなすりつけあいになるだけで、「状況」が改善される可能性はあまりないですよね。

 少なくとも「(状況を変えるための)行動を起こす」インセンティブは、今まではなかったと思うし、これからもないと思う。
 行動を起こせば、後ろから弾が飛んでくるのも目に見えている。 

 こういう構図が事実だとすると、自分が

  • そこに行った医者だったら……逃げる
  • 別に有力者でも何でもないふつーの村人だったら……逃げる

という選択肢を必死になって探すしかないだろうなあ。
さらに言えば、若ければ若いほど、「逃げる」選択肢をとる可能性は高いだろうなあ。


 あと、「それって逃げるしかなくね」と思い、なおかつ「とはいえ、その渦中に巻き込まれてたら、それでも逃げる気になれるかなあ」と思ったときに、参考にしたブログがあります。

 「藍色シアンのクレーム心理学;どうしてあんなに「我慢」してたんだろう?

 今回のお話と関係が深いところを引用します。

自分は彼らに「選ばれた」人だ。
他の仲間より、出来る人間だと認めてほしい。
(中略)
すべて、自分に価値がないという心、
無価値観が生み出す、幻想でしたね。
(中略)
「被害者になる」ことを手放す
これができたのは、そのつらい時期に
ずっと学んできた心理学や心理療法のお陰。
そして自分の内側を見つめるという
そんな習慣がとても役に立ったと
思っています。

 こちらは、田舎の話ではなくて、「都会の一等地の快適な生活(でもモラルハラスメント付き)から逃げる」話なんですね。

 どちらにせよ、結局のところ、「自分の内側」も含めて、冷静に状況を確認できればいいなあと思う。
 幸い、今は、引用したブログも含め、心理学・哲学などの「道具」はあるていど揃ってる。

 とくに「内側」に着目した場合は「(逃げた先での)恐怖」をきちんと見つめること。
 恐怖の最大のものって(人にもよるけど)大概は「死ぬこと」だと思う。
 そこらへんもコミで「まいっか」と腹をくくれるかどうか。

 自分ならどうしたい?を、もっと詰めてみないと、
 ということでまとめてみた。
 読んだ人の何かの役に立てればこれ幸い。