英語の悩みの“秘孔”を突く!?〜『えいごのつぼ』

アル・ゴア、リチャード・ブランソンなど、そうそうたる面々の“カリスマ同時通訳者”であり、この4月からは、あの「NHK入門ビジネス英語」の先生もつとめる、関谷英里子さんの最新刊。


(ちなみに、ちょっと隠れて写っているのが前著『ビジネスパーソンの英単語帳+70 次の70語でもっとうまくいく』)


『えいご』と書いてあるのに、本文には英語はほとんど出てこない不思議な本なんですが、その分、英語に苦しむ人のための「つぼ」が満載の本です。
「なんでこんなに『つぼ』が分かるのかな〜」と思ったら、著者の関谷英里子さんご自身がいわゆる「帰国子女」ではない、少なくとも最初から英語をインストールされているような環境にはいらっしゃらなかったんですね。

ごく普通の「日本人」として育ったにも関わらず、2回の渡英と2万時間の(!)勉強でカリスマ通訳者になったからこそ、「普通の『英語は得意じゃないけど、やんなきゃなあと思ってる日本人』に効くつぼ」がわかるんですね。なるほど〜。


というわけで、この本には「北斗神拳」もびっくりの技が満載なのですが、これを読むと、まるで“秘孔”を突かれたがごとく、

  「あべし」と叫んで脳みそが爆発する

……という心配は、しなくてもいいです^^;。
四散するのは「英語の悩み」の方ですから。

この本には88個もの「つぼ」が書かれているのですが、その中でも特に自分が「効いたつぼ」を3つ紹介しましょう。


1.自己紹介は丸暗記で。あらかじめ用意しておこう。(p96)
今年か来年に、今風にいうと、「パワースポット」として有名な、スコットランドのフィンドフォーンというところに行きたいなあと思っています。


(この地図の上の方にピンが打ってあるところね)

ここは、ちょっとした施設があって、そこで、短期間ですけど集団生活体験をすることになります。
当然、ここでは、「自己紹介」するシーンがあるかと思うんですが、この1節を読んでいなければ絶対にナニも用意せずに行くとこでした(笑)。
さすがに、イギリスに行った後では、コンピュータで和文英訳するのは大変で、遅かりしですな。
あ〜助かった(^^;)。


2.日本語は起承転結。英語は序論・本論・結論(p116)
新聞社に入って、それにブログまで書いてるくらいなので、日本語でなにかを書くことは好きな僕ですが、ついつい?、文章に「転」をいれたくなる癖があります(笑)。

そっか、道理で英語はあんまり寄り道しないなあと思ったら……。
こういうのって、普段日本語環境にいると気がつかないんだけど、「自分のクセ」である以前に「日本語のクセ」でもあるんですね。


3.「読んだつもり読書」でもOK(p130)
……って、こ、これでいいの?? でも確かに

(英語の)本に関しても、まずは第1章と終章を読めばいいのです(p131)

と書いてあります(笑)。

ってことは、日本語で526ページもあるフェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)の原著、The Facebook Effect: The Inside Story of the Company That Is Connecting the World(384ページ)だって、最初と最後の、たぶん50ページくらいを読めばいいのかしら(^^;)。
さすがに、フィクション、特に推理小説ではマズイということですが(そりゃそうだ)、ノンフィクション、ビジネス書だったらそれで無問題なんですって!

なんか自分が和訳を持ってる本で試してみよっと(笑)。


恐らく、この本を読んだ人に「88個のうち、どの『つぼ』が効きましたか?」と聞くと、実は結構バラバラだと思うんですね。
でも、逆に言うと、「どれかは当たります」!

気楽に「つぼ押し」するつもりで、読んでみてくださいな^^。

えいごのつぼ (まなびのつぼ)

えいごのつぼ (まなびのつぼ)